ライターのナナシロです。
特定の一人と恋愛をするのではなく、複数人と恋愛関係を築く行為。それが「オープンリレーションシップ」。
今回は僕の経験も踏まえて、オープンリレーションシップという恋愛スタイルがどういうものなのかを紹介しようと思います。
皆さんには是非、恋愛の多様性の一例として受け取っていただければと思います。
オープンリレーションシップとは?
オープンリレーションシップとは特定の1人と恋愛関係を築くのではなく、複数人と恋愛関係を築いている状態のことを指します。
複数人で付き合うということは、複数人と性的な関係を結ぶこともあります。
▼こんな感じ

浮気とは何が違うのか
それって浮気では?と思う方が多いでしょうが、浮気の場合は誰かが傷つく可能性があるので、恋愛スタイルとして問題があると僕は思います。
その点、オープンリレーションシップは全員の合意が必要な関係のため、どちらかが一方を騙すということもなく、望んでいない関係を築くものでもありません。
これはまた別の記事で詳しく書こうと思いますが、人間には、1人だけを愛するのが自然な『モノアモリー』だけでなく、複数人を同時に愛することが自然な『ポリアモリー』の人もいます。
(モノは”単一の”、ポリは”複数の”という意味です。)
このオープンリレーションシップという恋愛スタイルは、ポリアモリーの人に合った恋愛スタイルでしょう。
ですが、決してオープンリレーションシップはポリアモリーのためだけのものではありません。
オープンリレーションシップは、あくまで愛し合う者同士の付き合い方の選択の一つに過ぎません。
実際、僕はモノアモリーでありながらオープンリレーションシップという選択をとりました。
繰り返しますが、オープンリレーションシップと浮気の違いは、誰かが傷つくものであるかどうか、という部分です。
僕のオープンリレーションシップ体験談
最初に少し触れましたが、僕もかつて付き合った恋人と、合意の上で半年ほどオープンリレーションシップな関係を築いていたことがあります。
まずはそのような関係に至った経緯からお話ししようと思います。
当時の僕の彼女
端的に彼女のことを表現するのなら、『文学系ヤンキー』でした。
日本海外問わず年間300冊を読む文学マニアでありながら、短気で喧嘩っ早くとても感情的な子でした。
そして彼女は大のセックス好きでした。
気になる男の子がいるとすぐに声をかけて、自分からホテルに誘います。
俗な言い方をすると『ビッチ』な子でしたが、決して流されやすい性格でも媚びるタイプでもなく、自分という軸をしっかりと持っている人でした。
そのため、いろいろな男の人と寝ることに変な罪悪感を持っておらず、「セックスが好きだからそうしているのよ」と笑っていました。
一方の僕
一方の僕はというと、これは今もそうなのですが、恋人に嫉妬心を抱いたことがこれまで一度もありません。
それはきっと、変な心配をしなくても絶対に恋人の心を掴み続けられるという強い自信があるからで、村上春樹氏の言い方を借りるなら、僕にとって彼女は100%の女の子で、彼女にとって僕も100%の男の子であると知っているからだと思います。
なので、僕は彼女が何百人何千人の他の男性とセックスしようと、さして大きな問題はありませんでした。
僕らのオープンリレーションシップの始まり
彼女と付き合い始める直前、僕にはセフレが2人いました。
そして先述の通り彼女は、特に固定の相手を持たずに様々な人とセックスをしていました。
彼女は根が真面目で嘘を吐かない誠実な性格のため、付き合うからにはちゃんと一対一で付き合いたいと言っていました。
ですが一方で、自分が浮気性であることを少し気にしていました。
なので僕から提案して、妙な束縛を設けずにお互いにとって良い関係を築いていくことにしました。
それが僕らのオープンリレーションシップの始まりでした。
やはり彼女にとってその関係はやりやすかったようで、デートのときに彼女が最近セックスした男の子の話(たいてい彼女は相手の名前すら知らないことが多いのですが)をするのが、僕らの楽しみの一つになっていました。
実際、彼女は毎回とても個性的な男性と寝ていて、年齢も性格も社会的地位もてんでバラバラで、その話を聞くことは一つの掌編小説を読むような面白さがありました。
そんな僕らにとってしっくりきていたオープンリレーションシップな関係でしたが、半年ほどであっさりと幕を降ろすことになります。
突然の終焉
あるときデートの最中に彼女から「大事な話がある」と言われてカフェに入りました。
そこで彼女は、「こういう関係はもうやめたい」と言いました。
僕が理由を問うと彼女は、少し前にセックスした男の子から猛アプローチをされたこと、思いもよらない情熱的で真っ直ぐな愛情表現にちょっとドキっとしてしまったことを言いました。
そして、
「そのままでいるのも嫌だから、改めてあなたが好きなのかはっきりさせたい」
と僕の目を見て言いました。
彼女はセックスこそ風俗嬢以上に経験がある人でしたが、いざ恋愛を意識しだすと一途な面が出てしまい、このままでは不誠実なことになると不安になったようでした。
その日の夜、僕らはホテルでじっくりと話し合い、今彼女を口説いている男の子の素敵なところを彼女から聞いているうちに、僕はその彼より圧倒的に愛情を表現している量が少ないことに気が付きました。
当時の僕は、彼女にきちんと「愛しているよ」と伝えることをなんだかむず痒く感じてしまい、つい曖昧な表現にしがちでした。
それ以来、僕はきちんと彼女と向き合い、自分の思いを伝えるようになりました。
結果、彼女はアプローチしてきていた彼を断り、僕と改めて一対一の関係で付き合うことになりました。
そして僕と彼女は、オープンリレーションシップ以前より一層深く思いあえる仲になり、彼女は僕と別れるまでの数年間、一度も他の男性と関係を持ちませんでした。
それはどうやら、これまで誰と付き合っても数か月で別れたり浮気したりしてしまっていた彼女にとって、初めてのことのようでした。
これもひとつの「コミュニケーションの形」である
今回はオープンリレーションシップとはどんな恋愛スタイルなのか僕の体験を交えて書きましたが、別にオープンリレーションシップが一対一で付き合うスタイルより優れていると言いたいわけではありませんし、みんなにオープンリレーションシップをやって欲しいというわけでもありません。
恋愛は友情や親愛とは違う特別なもののように思われがちですが、根底にあるのは人同士のコミュニケーションです。
世の中には本当に様々な価値観を持っている人、様々な生き方をしている人がいます。
大切なのは、自分が愛する人ときちんとコミュニケーションをとり、常識や世間の目に振り回されず、自分たちにあった関係を築くことです。
もしも、恋人が浮気性で悩んでいるという方は、怒りや嫌悪感をいったん静め、あえてオープンリレーションシップな関係を提案してみるのも良いかもしれません。
追記
ちなみに件の浮気性の彼女とオープンリレーションシップな関係をやめたときに、どれくらいの人数とセックスしたのか改めて興味深く聞いてみたところ、当時彼女が在籍していた調理師の専門学校の同級生ほぼ全員とセックスしていたことが発覚しました。
本当にセックスが好きなんだなと感心したと同時に、学校中の男の子を虜にする魅力溢れる彼女を改めて好きになりました。