新刊「夫のちんぽが入らない」が予想以上に深い”愛”の話だった

 

「夫のちんぽが入らない」

 

衝撃的なタイトルに惹かれ即決で購入を決めたこの本。

本の始まりはこうだ。

 

いきなりだが、夫のちんぽが入らない。

本気で言っている。交際期間も含めて二十余年、この「ちんぽが入らない」問題は、私たちをじわじわと苦しめてきた。

周囲の人間に話したことはない。こんなこと軽々しく言えやしない。

何も知らない母は「結婚して何年も経つのに子供ができないのはおかしい。一度病院で診てもらいなさい。そういう夫婦は珍しくないし、恥ずかしいことじゃないんだから」と言う。けれど、私は「ちんぽが入らないのです」と嘆く夫婦をいまだかつて見たことがない。

医師は私に言うのだろうか。「ちんぽが入らない? 奥さん、よくあることですよ」と。そんなことを相談するくらいなら、押し黙ったまま老いていきたい。子供もいらない。

ちんぽが入らない私たちは、兄妹のように、あるいは植物のように、ひっそりと生きていくことを選んだ。

-『夫のちんぽが入らない』こだま/著(本文から抜粋)

 

20年あまり、交際期間を含めて夫のちんぽが入らないというひとりの女性の物語。

そしてそれをいままで周囲に言わぬまま、ひっそりと二人で生きて行くことを決めた夫婦の人生記。

 

まずこの時点でわたしの頭の中は

「え?ちんぽが入らないってどういうこと?なんで?」

という疑問であふれていた。

 

そして読み進めても、一向にその疑問は解消されない。

なぜなら、著者のこだまさんでさえ「なぜ夫のちんぽが入らないのかわからない」からだ。

 

そして驚くことに、こだまさんは処女というわけではなかった。

むしろ、なんの好意もない別の男性とは交わることができるのだ。

その事実への驚きと、なぜかわたしと似通った部分があることに少しずつ気付き始めながら一度も休まず読み終えた。

 

好きな人とは”繋がるべきだ”という常識

本の中で、「ちんぽが入らないという事実は、じわじわとわたしたちを苦しめてきた」とこだまさんは言う。

それはきっと、20年もの間「好きな人とはセックスするのが当たり前で、結婚してたら子供を産むのが普通」という常識に苦しめられてきたからなのだと思う。

だれもがそれを普通の行為だと思い、それが愛の証明だと信じ込んでいる。

 

だからみんな当たり前のように、結婚した人に対しては「子どもはいつ産むの?」「子どもの顔を拝むのが楽しみだね」となんの躊躇もなく言葉をかける。

それをしなければ、まるで「じゃあなんで結婚したの?」と言わんばかりに。

 

でも私はこの本を読んで、少なくとも「セックスして愛を育むこと」だけが愛の証明ではないと気付いた。

結婚して子どもを産むことが、すべての愛の最終形ではないと知った。

 

セックスがなければそこに愛はないのか?

わたしにもこの物語と似通った部分があると言ったが、以前、わたしにも似たような体験があった。

お付き合いした人と、突然セックスができなくなったのだ。

好きな気持ちが薄れたわけじゃない。むしろ大切な存在であり愛おしいという感情は増していた。

 

でも、できなくなった。

それを境に、彼はわたしに不信感を持つ様になった。

「もう好きじゃないのか」

「べつの男ができたんじゃないのか」

 

そう言われるたびに、わたしは傷ついた。

好きなのに、できない。

いくら口で説得しても、交われないのだから不信感を持たれるのは拭えなかった。

申し訳なさでいっぱいだった。言うことを聞かない自分の体を恨んだ。好きな人を傷つけてしまった自分を呪った。

でも本当に、心から好きなのだ。だけどこんな悩みは誰にも話せない。

普段下ネタをたくさん言ってるわたしでもそんな根深い問題には真正面から向き合えず、避けるように彼と別れてしまった。自分がこれ以上傷つきたくなかったからだ。

 

果たしてその原因はいまもわからない。最善の解決策も、どうすればいい関係を築けたのかもわからない。

 

「それはただのレスだろう」と言われればそれで片付くのかもしれない。

 

ただあのときの記憶は、これから先も「もしかしたら好きな人とセックスできなくなるのかもしれない」という不安をわたしの体内に埋め込んだ。

 

でも、ひとつだけわたしは自信を持って言える。

身体的なつながりがなくとも、わたしは人を愛せる。

「セックスのない愛」は確実に存在する。なぜならこだまさんも、わたしも、自分の身体でそれを証明しているからだ。

この本を通して、こだまさんと旦那さんの20年あまりの「精神的な愛」を確実に感じたからだ。

 

もしかしたら、まだわたしと同じように誰にも打ち明けられず悩んでいる人はいるのかもしれない。

物理的に交わることのできない苦しみを味わっている人がいるかもしれない。

 

そんな傷を負った人たちに、ぜひこの1冊を手に取ってほしい。

そして、この事実を打ち明ける覚悟を持って本を出版してくれたこだまさんに、心から感謝したい。

 

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