38人の妻たちによる夫殺し「エンジェルメーカー事件」に学ぶ愛の大切さ

らぶりりライターのナナシロです。

 

恋愛絡みの事件、といえばどんなものを思い浮かべるでしょうか。

彼女が浮気していたのに激昂し、浮気相手の男性をリンチ……。

フられたあとも執着し続けた元カレがストーカー化……。

あまり考えたくはないですが、こういった恋愛絡みの事件が頻繁にメディアを賑わしていることは間違いないかと思います。

 

ですが、こういった恋愛絡みで、300名も殺害された事件をみなさんはご存知でしょうか?

この事件の犯人として逮捕されたのは、東欧の田舎の村に暮らす平凡な主婦たち38名でした。

エンジェルメーカー事件と呼ばれるこの事件。

なぜこんな事件が起こってしまったのでしょうか。

 

エンジェルメーカー事件とはどんなものだったのか

戦争から帰ってきた男たちの連続死

時代は第一次世界大戦の真っ最中。

エンジェルメーカー事件は、東欧の国・ハンガリーの田舎村、ナジレブで起こりました。

 

ナジレブは、隣村とも距離があり閉鎖的な村でした。

事件が起こる少し前、村の男たちは兵卒として戦争に駆り出され、もっぱら老人、女たち、子供だけで村を守っていました。

 

戦争が一段落し、男たちが村へ戻ってきたときから、次々と男たちが不可解な死を遂げていきます。

戦争で出征していた男たちばかりが死んでいくので、

「戦地で拾ってきた未知の病原菌が伝染しているのかもしれない……」

「男たちだけがかかる奇病なのかもしれない……」

と、村人たちは恐れおののきました。

 

村は本当に田舎だったため、きちんとした医療機関はありませんでした。

そのため、村で唯一の医療関係者であった助産婦のユリウシュが亡くなった男たちの遺体を管理し、死亡診断書を書いていました。

どの男の死にも共通点はなく、ある者は家でいきなり嘔吐して倒れ、ある者は道ばたで行き倒れているのを発見され……、といった具合でした。

 

ついに女や子供も死ぬようになり、14年が経った

結局、戦時中な上に辺鄙な田舎だったため、真相が明らかにならないまま14年が経ってしまいます。

最初こそ男たちばかりが死んでいたのですが、村の女や、老人、子供たちまで死んでいくようになり、述べ300名ほどが原因不明の死を遂げました。

 

そんなあるとき、村の女の一人が警察宛てに告発をしました。

結果、警察はナジレブでの14年間に渡る村民の不可解な死について調査を始め、衝撃の事実が発覚するのです。

 

村の主婦たちが殺した

警察の調べの結果、村の女たち38名が殺人の罪で逮捕されました。

その中には、あの助産婦ユリウシュの姿がありました。

実は、彼女が村の女たちに毒物である「ヒ素」を渡していたのでした。

ですが、毒を渡したユリウシュが殺害を指示したわけではなく、あくまで村の女たちが自発的に

「旦那を殺そう」

と決め、実行に移したのです。

 

村中の女たちが自分の旦那を殺す異常事態。

こんなことになってしまった背景には、女たちをとりまく、ある苦しみがありました。

 

男たちは出征し、村には捕虜の収容所ができた

ナジレブという村が大変閉鎖的な村であることは先ほども触れましたが、この村は根強い「男尊女卑」がある村でした。

村の男たちは自分の妻のことを奴隷のように扱いました。

顎でこき使い、思い通りにならないときは殴りもしました。

女たちは日々虐げられていました。

 

昔から男尊女卑の村ではありましたが、村で生まれた女たちはほとんど死ぬまで村から出ることがないため、女は虐げられるものだという刷り込みがありました。

ですが、第一次世界大戦が起きたことで女たちの運命は大きく変わりました。

 

一つは、男たちが出征したことで地獄の日々から解放されたこと。

そして、もう一つは村の中に捕虜の収容所が建てられたことでした。

 

戦争で捕まった、敵国の兵士たちがナジレブの収容所にどんどん送られたのです。

捕虜はいざというときの交渉の切り札にするためにも、すぐに殺さずに生かす必要がありました。

捕虜の面倒を見るのは収容所のあるナジレブの村の女たちの仕事となりました。

 

愛を知った女たち

最初は不安に思いながら世話をしていた村の女たち。

ですが、捕虜の男たちは大変紳士的でした。

 

ご飯をもっていくと「ありがとう」とにこやかに笑いかけてくれます。

収容所から村へ出たときには「美しい君によく似合うよ」と花を摘んで渡してくれます。

 

それまでナジレブの女たちにとって、男は粗野で冷酷で女を奴隷のように扱うものでした。

ですが、捕虜たちはまったく村の男と違ったのです。

 

いつしか、村の女たちは捕虜の男たちと愛し合うようになっていきます。

女たちにとって、生まれて初めて愛されることを実感できた日々でした。

 

しかし、それも長い間は続きませんでした。

戦争が終わると収容所は解体され、捕虜たちは自国へと送還されていったのです。

 

それと同時に、村の男たちが戦地から帰還してきました。

女たちは絶望しました。

 

「また愛のない日々が始まるなんて……」

 

絶望が女たちを凶行に駆り立てた

そして女たちは、かねてから頼りにしていた助産婦・ユリウシュのところへ集い

「また奴隷のような生活。しかもここから一生よ。そんなの耐えられないわ」

と口々に訴えました。

 

そんな絶望する女たちを助けたい一心で、ユリウシュは

「大丈夫、大丈夫よ……みんなの旦那がいなくなりさえすれば」

と女たちを慰め、ヒ素を渡したのでした。

 

その後、14年間誰も気付かなかった所為で、女たちは人を殺すことへの罪悪感が薄れてしまったのか、次第に自分の夫だけでなく、口うるさい義父母や、仲の悪い女、言うことを聞かない子供まで毒牙にかけるようになります。

結果、300人という死者が出てしまったのでした。

 

事件から学ぶ、パートナーへの愛

エンジェルメーカー事件について、みなさん様々思うところがあると思いますが、僕が今回記事でこの事件を取り上げたのは、ある思いがあるからでした。

それは、「愛する」ということをもう一度考えてみよう、ということです。

 

ナジレブの村の男たちは、確かに妻をこき使い、殴りもしました。

そういった他者を尊重しない態度は、男女だからということ関係なく、人間として最低なことだと思います。

ですが、彼らが全員まったく愛情を持たない人格障害者だったかというと、それは疑わしいと思います。

 

事実は分かりませんが、村の男たちは男たちで、彼らなりに自分の妻を愛していたと僕は思っています。

ただ、言葉や態度で愛情を示さないのでは、愛情がないのと変わりないのです。

 

いろいろな方の恋愛相談に乗っていると、エンジェルメーカー事件のときと同様の問題を抱えている方は多々います。

とりわけ日本人は、まっすぐな態度でまっすぐな言葉を用いて相手に自分の気持ちを伝えることが不得手な方が多いです。

 

「私はちゃんと彼を愛しているよ」

「俺が彼女を愛しているのはちゃんと伝わっているはずだ」

そう思っている方も、今一度自分の言葉や態度を思い返してみてください。

 

パートナーを自分の思い通りに動かそうとしていませんか?

パートナーから搾取しようとしていませんか?

パートナーを騙していませんか?

パートナーにぞんざいな態度をとっていませんか?

パートナーを無視していませんか?

パートナーを避けていませんか?

 

ぜひ、振り返ってみてください。

 

さいごに

今回はなかなか怖い内容を扱いましたが、愛が無いことでこういった悲劇を生むこともあるのです。

ちょっとしたすれ違いで済めば良いですが、エンジェルメーカー事件のようなことが起こらないとも限りません。

人は誰かに受け入れられ、愛されていないと生きていけない生き物なのです。

 

健全なのは、パートナー同士が互いに愛し愛されていることですが、

「相手から愛されていない……」と感じる方が多い一方で、

「愛せていない……」と自覚する人はほぼいないのが実際です。

 

自分の不快さには気付く一方で、他人に与える不快さには気付かないのが人間の性。

常に、

「きちんと相手に愛が伝わっているか?」

ということを自問するくらいが良いと思います。

 

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ABOUTこの記事をかいた人

ナナシロ

アート、ホラー、面白系コンテンツの企画屋。Webクリエイター。怪談師。アートサロン『Artfans.jp』主催。添い寝屋。 自分にしっくりくる生き方を探していたら『らぶりりーす』にたどり着きました。 ツイッターで恋愛相談に乗っています。